
暑い夏が続いていますね。外はうだるような暑さですが、週に1〜2度は畑に行って収穫や水やりなどのお世話をしています。土がクッションになっているからか、道路のような照り返しの暑さはなく、午前中であれば心地よく作業ができています。
ところで今年、私は蓼藍(タデアイ)の栽培と染色に挑戦しています。
草木染めに興味を持ったきっかけは、春ごろに収穫したハーブで布を染めたことでした。いくつかのハーブで染めてみて気づいたのは、草木染めの染め上がりは「やさしいニュアンスカラー」が多いということ。「もう少しはっきりした色も染めてみたい」と思ったときに頭に浮かんだのが「藍」でした。
本格的な藍染めは発酵の手間がかかりますが、生の葉を使う「生葉染め」なら手軽に始められると知り、私の蓼藍チャレンジがスタートしました。
蓼藍の栽培ってどうやるの?
蓼藍は日当たりと水気を好み、温暖な気候でよく育つタデ科の一年草です。水と肥料をたっぷり必要とし、乾燥や肥料不足に弱いのが特徴です。また連作障害を起こしやすいため、翌年も育てる場合は植える場所を変えるのが重要なポイントになります。
一般的な栽培の流れは以下の通りです。
・播種(3〜4月): 保水性の良い土に種をまき、薄く土を被せて乾かさないよう管理。
・定植(4〜5月): 本葉が4〜5枚になったら日当たりの良い畑や鉢に植え付ける。
・管理: 朝夕たっぷりと水やりし、株を大きくするため定期的に追肥する。
・一番刈り(7月): 開花前、背丈が50cmほどに伸びたら地面から10cmほどを残して収穫。
・二番刈り(8〜9月): 再び伸びた葉を秋の花芽がつく前に収穫する。
・採種(10〜11月): 秋に咲くピンクの花が枯れた後、黒い種を採取して翌年へ繋ぐ。
私の場合、畑に行けるのは週に1度程度。毎日水やりができないことや、畑の土は水分を多く含む粘土質ということもあり、黒マルチの利用を前提にしていました。5月ごろに元肥を施してから黒マルチを張り、本葉が4〜5枚に育った苗を定植しました。
本来なら7月ごろにまとめて「一番刈り」をしますが、私は何度かに分けて染めたかったため、7月初旬〜8月にかけて畑へ行くたびに伸びた茎を収穫しました。今後はしばらく成長を見守り、9月中旬に「二番刈り」をして、秋の採種(10〜11月)に進む予定です。

蓼藍の生葉染めに挑戦!
蓼藍の生葉は鮮度が命。収穫したらすぐに葉を茎から外し、染料液を作ります。
- 準備: 染めたい布の約2倍の重量の葉を用意します。
- 攪拌: 葉がひたひたになる程度の冷水を入れ、ミキサーにかけます。
- 濾す: ザルで一度全体のエキスを抽出し、さらに「さらし」を使って丁寧に濾し出します。
できた染料液に(足りなければ少し水を足し)、あらかじめ準備した布を入れて10分ほど優しく泳がせるように染めていきます。時々空気に触れさせることで、鮮やかな色へ変化していくのが魅力です。染め終わったら水洗いし、軽く脱水して乾かします。

生葉染めのポイントと注意点
・スピードと丁寧さ:
収穫から染め上げまでは手早く行い、染料液は丁寧に濾すとムラなくきれいに染まります。
・布の下処理:
植物性繊維(綿や麻)は、事前に糊を落とし、豆乳や牛乳に浸してタンパク質を着けておくと色が入りやすくなります。
・色移り対策:
藍のエキスはプラスチックや木、床などに付着すると落ちにくいため、以下の対策が必須です。
─床は液がこぼれても染まらないように汚れてもいいバスタオルを敷く
─ミキサーの蓋はサランラップなどでカバーしておく
─ミキサーは攪拌ごとに、水洗いし蓼藍(染料・葉)がミキサーに長時間付着しないようにする
─エプロンとゴム手袋を着用する
─水滴による汚れを防ぐため、洗った布は必ず脱水してから干す
注意点さえ押さえれば、驚くほど簡単に染めることができます。特にシルクを染めると鮮やかな濃い水色に、麻や綿は涼しげな淡い水色に仕上がります。
染めた布でシュシュを仕立てる

今回はシルク、シルクオーガンジー、綿、麻を蓼藍で染めたほか、蓼藍で染めたシルクにホーリーバジルを重ね染めしたり、ホーリーバジル単体で染めたりしてみました。シルクの布に藍の液をぽたぽたと垂らして、マーブル模様のような柄を出してみる実験も!
どれも趣のある色合いになりましたが、中でもひときわ目を引くのが、蓼藍のみで染めたシルクの鮮やかな青でした。
このシルク布を使って、ヘアシュシュを作ってみました。シルクは摩擦が少なく静電気が起きにくいので髪に優しく、なめらかな肌触りで気持ちも上がります。シンプルな服装に鮮やかな青のアクセサリーを合わせると、顔まわりがパッと華やぎ、洗練された印象になりますよね。

自分で育てた植物で布を染め、日常で使える形にする贅沢。これからもいろんな植物で染め物を楽しみながら、「こんなのが欲しいな」と思うものを形にしていきたいです。
アーティスト・作家|歴史や世界の深淵を読み解き、新しい生き方の景色へと翻訳することを私のライフワークとしています。|詳細のプロフィールはこちら