映画『ディスクロージャー・デイ』を鑑賞してきました。
※本記事は映画『ディスクロージャー・デイ』の結末や真相に関するネタバレを含みます。
表向きは、企業の機密映像を暴露しようとする青年ダニエルと、突如不思議な力が覚醒した気象予報士マーガレット、そして彼らを追う企業・ワーデックス社の攻防を描いたSFサスペンスです。
ですが、劇中に登場するテクノロジーに視点を移すと、この映画が本当に伝えようとしていたのは「宇宙人がいる・いない」という話だけではないような気がしてきます。
今回は、作中で描かれた象徴的なテクノロジー、そして『Fringe/フリンジ』との面白い共通点について考察したいと思います。
1. 映画『ディスクロージャー・デイ』のあらすじ
物語は、青年ダニエルが巨大企業・ワーデックス社による「地球外生命体の捕獲・実験映像」という極秘データを入手し、それを世界へ暴露しようと動き出すところから始まります。
一方、別の街では気象予報士の女性マーガレットが異変に見舞われていました。生放送中に突如として何かが乗り移ったように不可解な言葉を話し、倒れてしまうのです。その映像を見たダニエルだけが、なぜか彼女の発した言葉の意味を理解することができました。
機密事項を暴露されるという危険を察知したワーデックス社は、特殊なデバイスを使って人々の意識へとダイブし、ダニエルたちを追い詰めていきます。逃走のさなか引き寄せられるように出会ったダニエルとマーガレットは、自分たちが幼少期に同じ「過去」を経験し、その記憶を封印されていた「宇宙人と接触した者」同士であることを思い出します……。
2.劇中のテクノロジーと『Fringe/フリンジ』とのシンクロ
本作で特に印象的だったのが、「(潜在)意識へのダイブ」や「自分を認識させない技術」といった描写です。SF好きな方でしたら、ドラマ『Fringe/フリンジ』の世界観や作中で使われているテクノロジーと似ている箇所に気づかれたのではないでしょうか。
① 意識への「ダイブ」と脳のジャック
追手であるワーデックス社のスキャンロンは、未知の技術の”あるデバイス”を使って遠隔地から対象者の意識(あるいは潜在意識)へと「ダイブ」し、あたかもその場にいるかのように対象者の「眼」を使ったり、対象者と会話したりしてダニエルの居場所を割り出していきます。
さらに覚醒したマーガレットは、対峙した人間の意識に自然と入り込み、その人の記憶・感情を読み取り、他社と深く共感する能力が備わります。そして、例えば相手が心から会いたいと願う存在(亡くなった妻など)の面影を自分に投影させたり、相手の意識を読んで戦意を喪失させたりすることができるようになります。
特にスキャンロンが行っていた他者の意識へのダイブは、使用するテクノロジーこそ違いますが、『Fringe/フリンジ』で描かれていたアイソレーション・タンクに身を沈めて感覚を遮断しながら脳波を深く同調させ「潜在意識にアクセスする技術」や、頭部へ電極を取り付けてポータブルな装置で直接意識を繋ぎ他者の精神領域に入り込むアプローチとシンクロしているように感じました。
② 自分を認識させない技術
物語の終盤、幼少期に宇宙人と接触した記憶を取り戻したマーガレットは「謎の金属デバイス」を使って、自分や仲間たちの姿を追っ手から見えないようにして脱出します。
これは光を透過させて体が透けるようにして隠す技術というより、相手の脳や認知の仕組みに働きかけて「そこに居るのに、自分を認識させない技術」のように見えます。
波長やチャンネルをずらして相手の意識から消え去るような演出は、『Fringe/フリンジ』のシーズン1ラストからシーズン2冒頭にかけて、オリビアが「あっちの世界」へ飛ばされ、無人の車を残して姿を消したあの出来事を思い出させます。周波数を合わせて空間を突き破るように戻ってきた彼女の復活のように、「目に見えないけれど、すぐ隣の領域に確かに存在している」というシーンとシンクロします。
3.「宇宙人」はエンタメで、本命はテクノロジーの開示?
映画に出てくる「グレー型の宇宙人」は急に映画全体をチープに見せ、エンタメであることの象徴のようにも見えました。この映画が真に開示しようとしていたのは、宇宙人の存在そのもの以上に「劇中で描かれていたテクノロジー」だったのかもしれません(あるいは両方?)。
<作中の代表的なテクノロジー>
・人の潜在意識や無意識領域へアクセスする技術
・相手の認知に働きかけ、自分を認識させない技術(周波数とも関係あり?)
・ 過去の記憶やトラウマの封印を解くことで覚醒する、人間本来の意識の拡張
スティーヴン・スピルバーグ監督は、これまでも『未知との遭遇』や『E.T.』など、宇宙や異星人をテーマにした作品を数多く描いてきました。
かつて『未知との遭遇』では「音と光の周波数(メロディ)」を通じて人類と異星人が意識を通わせる姿が描かれましたが、今回の『ディスクロージャー・デイ』では、それがさらに進化した「意識の同期や存在の消失(あるいは認知にまつわる技術)」というテクノロジーとして進化しているようにも感じられます。
果たして、真実はどこにあるのか・・いろいろと想像を巡らせるのが楽しい時間です。
勝手な想像ですが、映画というものは「80%のエンタメ」の中に「20%の真実」がそっと隠されているんじゃないか……そんな風に思えてなりません。
ネタバレ考察について他の人のを見ていたとき、非常に興味深い考察があったので共有します。【ネタバレ有・詳細考察】韓国で映画「ディスクロージャー・デイ」を観てきた話|ココミチ
特にポスターに隠された目の形の考察も秀悦です!